花の色

スイス留学中の女子大生

メンヘラって何さ

わたしが好きなものは、「メンヘラ女子が好きそう」に分類されるらしい。

大森靖子クズの本懐クリープハイプ、山戸結希監督の映画など。

わたしは自分のことをメンヘラだと思ったことはない。でも陰鬱さを儚く美しく描いている世界観がなんだかすごく琴線に触れる。自分が根暗なのは自覚していて、こういう根暗に寄り添う作品があるから、なんとか社会生活を営むことができている。

何に病むんだろうって考えたら、結局東京タラレバ娘案件で、生きるのが下手すぎた失敗ばかり。「わたしのこと好き?」って聞けたらよかったのかな。みたいな。

メンヘラって何さ。

誰だって辛いし、って言われてもそうじゃないんだよ。わたしの憂鬱をわかってほしいなんて思ってない。

例えば、大森靖子が好きだって大声で言えない。でもわたしには、大森靖子が描く過激な世界観がいつも響いてる。わたしの神様。たいていドン引きされるから、好きだってなかなか人に言えないけど。特に男の子には絶対言えない。

そうやって押し付けられる女の子像にうんざりしてる。きらきらゆるふわのピュア子ちゃんでいつも居られるわけない。だからアイドルは、いつも死角なしで全力で理想の女の子を演じ続けていて本当にすごい。いつも可愛くていつも笑顔、アイドルはプロの女の子。

大森靖子はアイドルの対極にある表現者なんだと思う。多分女の子特有の死ぬほどめんどくさい矛盾だらけの感情を歌ってくれている。メンヘラだと思われないためにいつも隠している憂鬱を、大森靖子の音楽が溶かしてくれる。

憂鬱は人に見せるものじゃないから、好きな人にも友達にも家族にも見せてはいけない。素直な子が好きって間に受けちゃダメだよ、あれは素で性格が良い子が好きって意味だから。めんどくさい感情はしまっておいて、素で性格が良いを演出しなければ。演じているうちにいつか本物になるかもしれないし。

私は美術部だったんですが、油絵を描く時に下地という工程がありました。写実的な色を載せる前に、自由なイメージで表現したい色をキャンバスに塗りたくるんです。生き生きした子供の髪の毛を真っ赤に塗ったり、夕暮れ時の海を黄色と白で埋めたり、紅葉が反射する道を桃色にしたり。後で写実的な色を重ねるのですが、顧問いわく、下地の色はなんとなくずっと生きていて、じわじわ効果を発揮するらしい。私はこの工程が一番好きだった。

食べたものが自分の身体になるみたいに、触れた言葉が自分の精神になる。本を読んだり、音楽を聴いたり、誰かと話したり、普段触れている言葉がそのまま自分を形作る。本当は過激な色でも、写実的な絵の具で隠しておけばいいんだと思います。その方が深みが出て良い色になる。そういえば橋本マナミが何かのコラムで、失恋の数だけ色気が出る、と言っていて、とても良い言葉だと思った。

何が好きとかどこが好きとかどうして好きとかうまく説明できないんだけど。

大森靖子さんの有名は、私の孤独のために光っています。