花の色

スイス留学中の女子大生

人の育ちをバカにするな

 

私は子供のころお姫様になりたかった。生まれてから死ぬまで綺麗なものしか知らなくて、周りの全ての人に愛されている。何もしなくても誰かが助けてくれる。何もしなくても白馬の王子様が迎えに来てくれる。お姫様になりたかった。

思春期を通り過ぎて、私はお姫様ではないし、なろうと思ってもなれるものでもないと当たり前に現実を知りました。

それでも、他の人にどう映るかわからないけれど、わたしはとても恵まれた家庭に育ったと思います。故郷はそれなりに広々としていて、見たいときに海が見られる。何代も前から受け継がれた土地に住んでいる。喧嘩がないわけではないけれど、大切な家族がいる。両親は自分自身への贅沢には一切お金を使わず、使えるお金を全て教育に注いでくれた。大学に通うために東京で暮らすお金を用意してくれた。とても愛情をかけて育ててくれた。たくさん感謝している。自慢できるものではないにしても、愛があるんです。家族にも、故郷にも、生まれ育ちにも。だから余計なこと言わないでほしい。

もう少し大人になると、世の中にはお姫様がいるとを知ります。現代のお姫様。港区に生まれ育ち、私立小学校に通い、帰国子女で、何かの家元とか大企業役員の子女とか。家族で老舗高級ホテルでお食事したりするのも日常だから、SNSにあげるような庶民たらしいことはもちろんしません。富を自慢することもありません。底抜けに人が良くて、他人を疑わないし、文句も言わない。綺麗なものだけで構成されている人生に、育ちの良さを感じる。周りの人からたくさん愛されている。やっぱり私はお姫様にはなれない、とまたも現実を突きつけられて惨めな気持ちになったことがあります。

「〇〇は治安悪そう」

「〇〇には何もないよね」

「成人式荒れてそう」

うるっさいな!!!何も知らないくせに!!

こんな記事を書いたのも、故郷をバカにするような発言を受けて悲しい気持ちになったからです。その場では笑っていたけれど、心は泣きそうだった。知ってるよ、だから何?泣きそうだった。どうしてこんなに傷ついているのかなと考えていたら、自分の中にくすぶっていたコンプレックスを見つけました。相手にはそこまでの意図はなかったと思うけれど、蓋をしていた傷口に塩を塗られたような気持ちになった。コンプレックスがあったから過敏に反応してしまった。こんな気持ちになったことがあるなんてそんな恩知らずなことを両親には絶対に言えないから、ブログに書いて昇華しようと思いました。それと、私は人の生まれや故郷に何か言うことは絶対にしないと心に決めました。

自分ではどうすることもできないこと。誰しも自分の理想と現実の差に葛藤する時期がある。だから相手の故郷や育ちに言及するのはとても失礼だと私は思っています。相手の触れられたくない領域に土足で踏み入る粗暴さを感じるんです。

世の中99%の女の子はお姫様じゃないけれど、お姫様じゃないねって人から言われるとめっちゃ腹が立ちます。蝶よ花よと扱ってほしい。それができないなら黙っててほしい。私は誰かの生まれ育ちを褒める人もけなす人も苦手。そこを評価基準にしていることが気持ち悪い。

元をたどればみんなサル、血統書つきのサルをせいぜいありがたがってろ!

って何かの漫画のセリフです。

でも悔しいので、日本帰ったら就職までの暇な時間、マナー講座に通いたいなと思っています。振る舞いだけなら努力すればお姫様になれるかもしれないから。妬み嫉みももたず、なるべく綺麗なものに触れて、なるべく綺麗な感情だけで生きられるように、素敵な女性になりたい。